アンチ・ドーピングGL、日健栄協GMPはcGMPに「相当」?(後)
【解説】
<トップアスリートが選ぶ製品、cGMPによる品質管理が必須>
「スポーツにおけるサプリメントの製品情報公開の枠組みに関するガイドライン」で、JHNFAの日健栄協GMPとJIHFS-GMPが、米国のcGMPに「相当」すると位置づけられた件について、15日のメディア懇談会で(株)ウェルネスニュースグループは、「相当するのだろうか」という疑問を投げかけた。しかし、JHNFAから説得力のある回答は得られなかった。
ドーピング検査を受けるトップアスリートは、スポーツサプリメントを使用する際に、可能な限りドーピングリスクの小さい商品を選択する。もし、違反となれば、選手生命を奪われかねない。このため、より厳しい品質管理を行う生産施設で製造された商品を選ぶことになる。そのためには、正確な情報提供が求められる。
確かに、cGMPであっても事故を完全に防ぐことは不可能。しかし、同ガイドラインの目的である「リスクの低減」のためには、もっとも厳しいと言われているcGMP認証を受けた生産施設で製造されることが必須となる。ドーピング検査を行わないスポーツ愛好家に向けた商品ならば、国内のGMP認証でも十分だろう。
一方、トップアスリートに提供する商品については、可能な限りリスクを抑えることが必要。つまり、日本の健康食品企業がトップアスリートにスポーツサプリメントを提供する場合には、リスクをできるだけ低減するために、cGMPを導入した生産施設で製造することが重要となる。
さらに、トップアスリートが適切に商品を選択できるようにすることも重要課題だ。cGMPを導入した生産施設で製造された商品かどうかといった情報の開示は、スポーツサプリメント市場の健全化を進める上で避けて通れないだろう。
商品を使用するトップアスリートは、最終的に自己責任を問われる。cGMPに「相当」すると言えないGMP認証を「相当」すると主張することは、団体の利益になるが、トップアスリートにとっては大きなリスクとしかならない。
(了)