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アレルギー領域、届出支援本格スタート インデナ、ケルセフィットの第1弾届出公開受け

 植物エキスメーカーの世界的大手、伊インデナ社の日本法人、インデナジャパン㈱(東京都千代田区)の機能性表示食品対応素材のラインナップに先月、「ケルセフィット(Quercefit)」が追加された。フラボノイド(ポリフェノール)の一種、ケルセチンを機能性関与成分とするもので、訴求機能は「鼻の不快感軽減」。今後、届出の公表を待っていた業界顧客らに対する届出サポートを推進しつつ、可能なヘルスクレームの拡充を図る。

まずは「鼻の不快感軽減」 プランBも進行中

 「本品にはケルセチンが含まれます。ケルセチンは、花粉、ほこり、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減することが報告されています」。現在、ケルセフィットについて可能なヘルスクレームはこうしたもの。インデナジャパンおよび同社の商業代理店であるユニキス㈱(東京都中央区)は、5月24日の届出公表を受け、アレルギー領域の機能性表示食品の開発や届出に向けたサポートを本格化させている。

 ケルセチンと機能性表示食品の関係をめぐっては、茶系飲料の特定保健用食品(トクホ)の関与成分でもあるケルセチン配糖体の届出を、他の機能性関与成分と組み合わせるかたちでサントリーウェルネス㈱が行っていた。だが、ケルセチンそのものでは届出例はなく、新規の機能性関与成分となる。そのケルセチンを約40%含むケルセフィットは、マメ科植物エンジュの花と蕾を原料にした素材「フィトソーム」と呼ばれる同社の特許技術で加工することで、経口摂取後の生体利用率に課題があるケルセチンのウィークポイントを解消したもの。配糖体化せずとも吸収率を高められるようにした。

 第1弾の届出が公開されたばかりだが、インデナジャパンは、すでにヘルスクレームの拡充に向けた取り組みを進めている。国内で実施したヒト試験(RCT)結果をまとめた査読付き論文では、他の領域についても有効性が確認されているためだ。具体的には、睡眠の質や一時的な疲労感を改善させる可能性のあることが示唆。そうした機能も盛り込んだヘルスクレームを実現させたい考えで、「ヘルスクレームに関するプランAは公表された。次はプランB。引き続きチャレンジする」という。

ケルセチン、セノリティクスで注目

 一方、ヘルスクレームの「プランC」になるかどうかは微妙だが、同社はケルセフィットをアレルギーや、アレルギーにも関わる免疫の領域だけでなく、米国のダイエタリーサプリメント市場で対応製品数が増えている「セノリティクス」の領域にも広げようとしている。

 セノリティクスとは、アンチエイジング(抗加齢)に関する新たな概念で、加齢に伴い不足する細胞(正常細胞)に関わる成分を補うのではなく、加齢によって増加する害のある細胞(老化細胞)を取り除く、というもの。日本語では、「老化細胞除去」や「ゾンビ細胞除去」などと訳される。

 同社によれば、セノリティクスに有効な成分の1つとして、ケルセチンが見出されている。2015年に米国で開発されたセノリティクス製剤の第1弾が、ダサチニブ(分子標的治療薬の一種)とケルセチンを組み合わせたものだった。その後も同じ組み合わせの製剤、あるいはケルセチン単独について、セノリティクスをターゲットにした研究開発が活発に行われている。また、欧米のサプリメント市場では、セノリティクスをターゲットにした製品の市場投入が目立つようになっており、その中には、ケルセフィットを配合したものも複数あるという。

 同社では、「日本ではまだ認知されていないが、ケルセチン配合商品を販売する大手メーカーも関心を寄せつつあるように思う。いずれ、日本でも注目度が高まるのではないか。今のうちにセノリティクスとケルセフィットの関係を啓発しておきたい」と話している。

【石川 太郎】

(冒頭の画像:ケルセフィットの鼻の不快感軽減機能を報告するヒト試験データの一部。インデナジャパン提供)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都千代田区大手町1-8-1 KDDI大手町ビル21F
TEL:03-3243-9924
URL:https://www.indena.com/ja/
問合せ:https://www.indena.com/ja/contact-us/
事業内容:植物抽出物の製造・販売

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