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アレルギー低減卵の実現を目指す 
キユーピー、10年間のプロジェクトが始動

 キユーピー㈱(東京都渋谷区、髙宮満社長)はこのほど、アレルギー低減卵の実現に向けた10年間のプロジェクトが始動したと発表した。

 同社は、2013年から広島大学(越智光夫学長)とともに、アレルギー低減卵の共同研究を進めてきた。21年からは、広島大学が代表機関を務める「バイオDX産学共創コンソーシアム」に参画している。今回、同コンソーシアムが、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による産学連携プログラム「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の“育成型”から“本格型”へと昇格し、10年間のプロジェクトが始動した。

基礎研究フェーズから応用研究フェーズへ
 13年から広島大学と進めてきたアレルギー低減卵の基礎研究は、一定の成果を得て、20年にはアレルギー低減卵の作出をラボレベルで実現している。今回、COI-NEXTの「共創分野(本格型)」に採択されたことで、同研究は次の段階である応用研究に移る。
 応用研究フェーズでは、主に、①安全性試験、②育種造成、③機能評価を行うという。広島大学を中心に、同社とキユーピータマゴ㈱(東京都調布市、扇田博昭社長)、相模原病院、㈱坪井種鶏孵化場(熊本県山鹿市)、東京農業大学、プラチナバイオ㈱(広島県東広島市、奥原啓輔CEO)が総力を挙げてアレルギー低減卵の実現に向けて取り組むとしている。

「卵アレルギー」の解決を目指す
 キユーピーグループは、国内の鶏卵生産量の約1割を取り扱う。日々、卵のおいしさや機能性を追究し、研究に取り組んできた。また、「健康寿命の延伸」をグループにおけるサステナビリティ目標の重点課題の1つに掲げ、栄養価に富む卵の消費量アップを推進している。その一方で、卵を食べたくても食べられない人がいるのも事実であるため、“卵の会社”として、「食の選択肢を広げる」こともその務めであると考えている。これまで、特定原材料不使用のベビーフードや卵を使わないマヨネーズタイプ調味料の開発、アレルゲン免疫療法への研究支援などを行ってきた。また昨年は、卵を使わないプラントベースの代替卵「HOBOTAMA」(業務用)を発売し、今年3月にはラインアップを拡充して市販用でも販売を始めた。

 同社では、あらゆる方法で食の選択肢を広げることは、食品メーカーとして向き合うべき重要なテーマと考え、今後もアレルギー低減卵の研究に真摯に取り組むとしている。

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