アサリ偽装問題の質問に熊本県が回答
食の安全・監視市民委員会が全文を公表
熊本県産アサリ偽装問題をめぐり、2月8日に蒲島郁夫熊本県知事に宛てた「消費者権利問題に関する質問とお願い」に対し、3月7日付で同知事から回答があったとし、食の安全・監視市民委員会は14日、ホームページ上で公開した。
質問は、①県が開設した「産地偽装110番」に対して通報してきた消費者に対し、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)45条2項、3項に書かれている申告制度のような制度を導入し、通報した消費者に対して調査結果を報告するのか、また110番の運用実績を公開する予定があるか、②今後、再発防止策として、独自の条例制定などによる偽装事業者に対する課徴金、罰金制度などの導入を検討しているか、③今後、熊本県産農産物 ・水産物で、県独自の食品トレーサビリティ制度の導入や充実・強化を図る予定はあるか、④「熊本産アサリブランド適正化協議会(仮称)」に、消費者団体関係者や法曹関係者を委員として迎える予定はあるか――の4項目。
蒲島知事は、①産地偽装110番の運用実績については熊本県のホームページで公表しており、通報者への個別の報告は行わないが、随時、件数や対応の概要などについては公表していくとしている。通報者への報告を行わない理由として、熊本県情報公開条例第7条第3号ア「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」の規定に基づく不開示情報であるとしている。
②産地偽装を行った事業者に対しては、食品表示法に基づき、行政処分や罰則が適用されているため、県独自の課徴金等の導入に係る検討は行っていないとしている。
③熊本県産アサリを確実に消費者に届けるため、県産アサリ販売店の認証制度の創設、流通の監視体制の構築など、産地偽装を抑止する仕組みづくりに取り組んでいる。「熊本県産アサリブランド再生協議会」を立ち上げ、消費者団体をはじめとした関係団体の意見を聞いて進めているところとしている。
④1回目の「熊本県産アサリブランド再生協議会」の会合を2月22日に開催。委員には、漁業関係者、販売事業者、学識経験者のほか、消費者団体関係者(熊本県消費者協会会長)、法曹界関係者(検事御出身の弁護士)が就任した。
オブザーバーとして、農林水産省九州農政局、熊本市役所職員ご出席。専門的見地に基づく忌意見交換を行った。審議について、第1回協議会では、委員本人、または委員が所属する団体の商取引などに関する意見について、熊本県情報公開条例第7条第3号アに基づき、非公開とした。ただし、議事録をはじめとする協議会の情報については、随時熊本県ホームページに掲載している。第2回以降の公開・非公開については改めて協議会において検討する予定。
以上
冒頭で蒲島知事は、今回の反省を踏まえ、二度とこのような事案が起きないよう、①産地偽装アサリの一掃、②徹底的な調査・取締り、③純粋な県産アサリの生産・流通の3点に全力で取り組むとの強い決意を述べている。
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