アサヒカルピス「L-92乳酸菌」、暴走するウェブ広告(前)
<花粉症シーズン、成分広告と商品広告を交互に>
花粉症シーズンが始まるこの時期、健康食品の行き過ぎた広告が問題となる。健康食品で花粉症に対する効能効果を標ぼうすると、医薬品医療機器等法に抵触する。このため、成分の効能効果をうたった広告と、その成分を配合した商品の広告を使い分けるという脱法行為が横行している。
今月19日、パソコンでYAHOO!JAPANのトップ画面を開くと、右上に位置する大バナーに「L-92乳酸菌」の広告が現れた。「えっ?56日で花粉症、鼻炎、アトピーの症状が軽減!?アレルギー症状の改善が期待できる、特別な『L-92乳酸菌』とは?」のキャッチコピーがある。
バナーをクリックすると、「日本を代表するアレルギーの名医が解説する研究成果 花粉症対策と注目の『L-92乳酸菌』」のタイトルと、マスクをした男性や鼻を手で押さえる女性の写真が出てくる。“名医”として広告塔を務めるのが、名古屋大学医療技術短期大学部名誉教授の鳥居新平医学博士。鳥居氏がアレルギーの傾向、花粉症の発症メカニズム、「L-92乳酸菌」の有効性を解説するという流れ。健康食品で見られる典型的な成分広告だ。
しばらくニュース記事を閲覧した後、再びYAHOO!JAPANのトップ画面に戻ると、今度は同じ大バナーの位置に、サプリメント『アレルケア』の広告が現れた。「L-92乳酸菌配合 アレルケア」のキャッチコピーが記載されている。
バナーをクリックすると、「刺激、敏感、デリケート。悩んでいる方に。注目の『L-92乳酸菌』配合 カラダの中から、快適バランス アレルケア」の表示と、商品写真などが出てくる。商品説明や販売価格とともに、購入ボタンが配置されている。こちらは典型的なサプリメントの商品広告だ。
この日、YAHOO!JAPANのトップ画面の大バナーについて、記者が確認できただけでも以下のとおりだった。
・午後4時4分に成分広告、午後4時12分に商品広告
・午後6時35分に成分広告、午後6時43分に商品成分
・午後8時2分に成分広告、午後8時9分に商品広告
「L-92乳酸菌」の花粉症などに対する効能効果を標ぼうした成分広告と、「L-92乳酸菌」を配合したサプリメント『アレルケア』の広告が、トップ画面の同じ場所に、時間をずらして交互に出てきたわけである。しかも、かなり近いタイミングで表示されたことがわかる。
その後も、成分広告と商品広告が繰り返し、出てくることを確認できた。成分広告も商品広告も、広告主はアサヒカルピスウェルネス(株)(東京都渋谷区)だった。
(つづく)