めざす会、農水発行の広報誌に疑義 「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」に違反か
食の信頼向上をめざす会(唐木英明会長)は11日、農林水産省が発行する広報誌『aff8月号~特集“もっと食べたくなる”トマト』が紹介する記事の一部について、消費者の誤認を招く表現があるとの指摘を行った。
指摘したのは、「国産トマトの魅力を広げるトマト加工品」の中で、全国のトマト加工品を紹介した記事。
めざす会は、「トマト加工品は、旧JAS法の個別品質表示基準の内容が、同法加工食品表示基準、現在の食品表示法の食品表示基準に引き継がれている」とし、疑義に当たる個所を示している。
例えば、イナゾーファームの『有機トマトジュース クリア』の場合、「過度な加工を加えず、塩や保存料の添加も一切ありません」という紹介記事、さらに遊子川ザ・リコピンズの『こどもケチャップ』の「香辛料を控え、保存料や着色料などの食品添加物を一切使わない安心安全なケチャップ」という記事に対して、「保存料は、食品表示基準別表第三(第二条関係)でトマトジュースには使用できない。保存料を使用したトマトジュースは市販されていない」と指摘。
あぐりいといがわの『樹上完熟トマトジュース 大農』の場合、「うま味を最大限に活かすため、塩ひとつまみ以外は無添加」とする記事の「塩ひとつまみ以外は無添加」に対して、「食品表示基準別表第三(第二条関係)でトマトジュースにはトマトと塩しか使えない。単に「無添加」は「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」で、消費者に誤認等を与えるとして例示されている」と指摘している。
指摘を行った理由についてめざす会は、「記事中の商品の紹介が、食品表示基準や消費者庁のガイドラインに反している部分がある。行政の広報誌を参考にした生産者や事業者が、結果として表示違反や優良誤認を惹起する心配もある」と述べている。
また、消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」(市川まりこ代表)も本日、農水省に対して意見書を提出したという。
取材に対して農水省は、「修正する方向で検討している」とコメントしている。
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【田代 宏】