まだ続く？ジャパンライフ債権者集会 来年3月に持ち越しも「配当は1％超え」見込む
巨額詐欺事件で世間を騒がせたジャパンライフ。昨年11月18日、東京高等裁判所が同社創業者・山口隆祥の控訴を棄却したことで懲役8年の刑が確定した。今後、収監の手続きに入る。
同社の破産においては、役員・社員の奨励金や山口本人の隠し財産をめぐる問題で債権者への配当が遅れていた。その後どうなったのか？
9回目の債権者集会は12月7日、東京地方裁判所中目黒庁舎1階103債権者集会室で開かれている。もともと6回で終結する予定だった債権者集会だが、前述した労働債権の問題や、山口の隠し財産約6,000万円をめぐる破産事件などで延び延びとなっていた。
労働債権については、解約報奨金や歩合報奨金については労働者債権として認めないとする破産管財人と、査定を求めている労働者健康安全機構（JOHAS）が約3,000万円をめぐり係争中だった。
全国ジャパンライフ被害弁護団によれば、「こちらとしては納得がいかない」としながらも、労働債権は管財人がJOHASと和解。幹部クラスについての奨励金分はJOHASが取り下げて一般社員の分については、管財人が異議を取り下げることで、その分については支払うこととなった。
「（この話を）詰めるとなると、査定決定を取り、それに対する訴訟ということになるが、そんなことをやっているといつ終わるか分からなくなってしまう」と、現実問題として高齢化している債権者に配慮せざるを得ない実情もあったようだ。
破産事件を振り返ると、破産管財人が債権回収の最中に、山口の妻が財産は自分のものだと主張し、異議訴訟を提起したことでさらに延期することとなった。
裁判は管財人が1審で勝訴。対する妻側の控訴が棄却されたものの、遅延損害金その他で未回収部分が生じたため、他に財産がないか、妻に対する調査を慎重に行っていた。
結局、満額とはいかないまでも、無償行為否認の期間内について認められたが、年5分の遅延損害金が4年間で「結構な額に達している」（全国ジャパンライフ被害弁護団）という。ただし、手続きは継続中だ。
「山口隆祥の破産管財人が妻に対して請求権があるわけだが、妻がさらに財産隠しをやってるのではないかという点を詰めなければならないのだが、財産開示命令の手続きなどが、期日に間に合わなかった」という。
同弁護団によれば、前回の集会で1％前後としていた配当金だが、「2％には届かないが1％は超える」と話している。
次回の債権者集会は、3月22日午前11時、今回と同じ中目黒庁舎で行われる予定。
【田代 宏】
（冒頭の写真：東京地方裁判所中目黒庁舎）
