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まだまだ足りない機能性関与成分 【機能性表示食品】一方で立ち塞がる「120営業日ルール」

 消費者庁による毎度の機能性表示食品「届出データベース」(DB)更新。その度に積み上がっていく新規届出の情報を眺めていると、稀に、新規の機能性関与成分を見つけることができる。この記事の下に付けた一覧は、2024年1月1日以降に同庁へ届け出され、今年5月末までに公開された新規の機能性関与成分のまとめたものだ。出てくるのは稀だとしても、積み上げてみるとそれなりに多い。だが、これで十分とは言えない事情がある。

およそ7千に対して424のアンバランス

 機能性表示食品制度は施行から丸10年が経過し、この4月から11年目に入った。2015年4月の制度施行以来の届出件数は、延べ約9,750件(うち約2,800件が撤回。5月末時点)と1万件が目前。他方で、今から30年以上前の1991年に制度施行された特定保健用食品の表示許可件数は、同じく5月末時点で1,034件にとどまる。

 そのように機能性表示食品の届出件数は滅法多い。では、この10年の間に届け出された機能性関与成分の数はいくつか。答えは、5月末時点で424成分(㈱グローバルニュートリショングループ調べ)である。撤回を除いても約6,870件に上る機能性表示食品の届出を支えている機能性関与成分の数は、届出全体の1割にも満たない。領域をまたがるかたちで複数の機能性表示を行える関与成分が一定数あるにしても、いささか心許ないと言えるだろう。

 このように、限られた機能性関与成分に頼っているのが機能性表示食品の現状だ。機能性関与成分が同じであれば、行える機能性表示も原則、同じになる。そうすると、今のままでだと行き着く先は、広告表示にばかり依存した過度な差別化競争をはじめ、開発される製品やマーケットのマンネリ化だろう。そうなる事態を防ぐために、より多くの機能性関与成分が求められる。

 しかし、そうは問屋が卸してくれない現実もある。新規の機能性関与成分を届け出るハードルは、既存関与成分のそれと比べてかなり高い。そうなる背景には、届出資料に不備がないかどうかを「形式的」に確認するだけであるにせよ、それは「口に入れるもの」である以上、より慎重に確認したい消費者庁の姿勢があろう。そしてその姿勢は、機能性表示食品制度に対する消費者らの信頼を低下させた小林製薬「紅麹サプリ」健康被害問題を受けて、より強まっている。

導入された「専門家に意見を聴く仕組み」

 通称「120営業日ルール」。届出実績のない新規の機能性関与成分、あるいは既存の機能性関与成分ではあるが組み合わせが新規の場合に適用される届出上の新ルール(法令)だ。健康被害問題をきっかけに改正された機能性表示食品制度が全面的に施行された4月から導入されている。

 消費者庁によれば、新規であれば必ず適用されるという訳ではない。ただ、適用されると、消費者庁における届出資料の確認期間が通常の最大2倍に延長される。通常は原則60営業日。土日祝日は除くため、適用されると届出資料の提出から届出の付与、あるいは差し戻しまで最大6カ月前後を要することになる。

 そのように長い期間を使って消費者庁は何をするのだろうか。同庁はこう説明している……。

(この続きをお読みいただけるのはウェルネスニュースグループ会員のみです。残り約1,610文字。全文は、「会員ページ」の「月刊誌閲覧」内「Wellness Monthly Report」2025年6月号(第84号)特集「新規の機能性関与成分を探して」4~5ページでお読みいただけます)

【石川太郎】

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