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はま寿司「重要なお知らせ」でお詫び 「使用期限」は「消費期限」を超えない自社基準?

 SNS上の迷惑動画でダメージを受けている㈱はま寿司(東京都港区、遠藤哲郎社長)が、今度は自らの手で首を絞める失態を演じた。郡山堤店(福島県郡山市)で使用期限切れのネタを使っていたなどとする週刊文春オンラインの報道に対して、同社は7日、ホームページで「重要なお知らせ」を掲載し、“使用期限”が一部で守られていなかったことが従業員へのヒアリングで判明したと発表した。

 同社はホームページ上で“使用期限”の定義について細かく釈明。

期限シール貼り替え「食品ロス削減」重視? 

「(当社では)科学的に自社の食品管理基準を設定。消費期限を超えない範囲で“使用期限”という管理目標を定め、店舗運営を行っている。微生物検査機関において、実際の店舗での保管条件よりも微生物が増殖しやすい条件下(実際の保管温度よりも高い温度、実際の保管期間よりも長い期間)で菌の数を測定し、自社基準にあてはめて算定している」とし、「使用期限を超えた場合でも、健康や味に影響が出ない段階で改善指導や是正措置を行うHACCP(ハサップ)の予防的な仕組みを取り入れ、安全を保証している。店舗では1日に4回、保管食材の使用期限を確認し、期限切れおよび期限ラベルが未貼付のものは廃棄し、それを記録に残している」などと説明している。

 使用期限は、安全に保存できる時間に余裕をもって設定してあることから、食品衛生法の基本的な考え方に準拠しているとしながらも、一部の従業員の中で、「多少の超過なら安全上も問題はない」との誤った認識があり、「食品ロスを削減したい」という考えから、適切な温度管理の下に使用期限を超えた食材で目視で変色など状態の劣化が見られなかったものに対し、期限シールを貼り替えて使用していたという。

 このような行為について同社は「社内ルールから逸脱した行為」として謝罪。また、店舗の問題ではなく、同社の運営そのものに問題があったと謝罪している。はま寿司は、スシローやくら寿司に次ぐ業界3位の寿司チェーン店。地上波テレビでは3社のCMが競い合っている。

過去には不二家も

 食品表示法に詳しい専門家は今回の不祥事に対し、「外食なので食品表示基準は適用されない」としながらも、2006年に起きた不二家事件と似たケースと指摘する。㈱不二家が消費期限切れの牛乳を使用して洋菓子の製造を行っていたことが報道され、すべての洋菓子製品の製造販売休止に追い込まれた。そして翌年、社長の辞任を招くまでに至った。「雪印乳業の二の舞」などとして関係者の間では大きな問題となった。

 【田代 宏】

(冒頭の写真はイメージのため、同店と直接の関係はありません)

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