はなびらたけが焼肉料理に
静岡地盤の京昌園 大井川電機の「ホホホタケ」で新メニュー
2020年に農業事業に本格参入していた自動車用電球メーカー、㈱大井川電機製作所(静岡県島田市、中河満社長)が生産するキノコのはなびらたけが、静岡県を地盤とする焼肉料理店『京昌園』のメニューに採用され、3日から提供が始まった。
黒毛和牛にはなびらたけを巻いて食べる焼肉料理(=画像)など、はなびらたけの食感やうま味などを生かしたメニューを開発した。まずは静岡駅南口店など県内4店舗で展開。今後、他の店舗にも順次広げていく計画だ。新たなメニュー開発にも取り組むという。県内11店舗、海外1店舗の京昌園を運営する㈲京昌園(静岡県富士市)と大井川電機製作所が3日、発表した。
大井川電機製作所は、同社の県内拠点で生産・出荷するはなびらたけを『ホホホタケ』として商標登録し、ブランド展開。20年、総額2億円を投資して新設した生産拠点の稼働によって、安定出荷が可能になった。現在、月間最大6万パック(1パック80g)出荷できるという。
同社によると、新設した落合生産拠点(静岡県島田市)は延べ面積1,300平方メートル。はなびらたけの菌床生産設備、接種室、栽培室、収穫室、冷蔵庫なども備える。
同社は1967年創業。ウインカーやテールランプなどの電球を生産、自動車メーカーに販売し、年間約20億円を売り上げてきたが、自動車産業を取り巻く環境変化や自動車電球のLED化などに伴い、変革を迫られた。そのため、「自動車産業で長年培ってきた電球製造の厳格な品質管理と生産体制のノウハウを生かした新規事業への参入を検討」(同社)。15年から、はなびらたけの栽培方法について研究を開始し、18年から販売を始めていた。
18年度の売上高は150万円だったが、21年度は3千万円に拡大。22年度は1億円をめざす。25年までに10億円に引き上げ、ホホホタケ事業を中核事業に育てたい考え。
【石川太郎】