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どうなるCBD、法改正に向けた議論始まる 厚労省、論点に「適切な利用の推進」

 厚生労働省が大麻取締法改正に向けた主な論点を示した。医療ニーズへの対応、薬物乱用への対応の他、大麻の適切な利用の推進、適切な栽培及び管理の徹底──4つを提示。専門家委員会で議論を進める。

 厚労省は25日、麻薬、法学、生薬学などの専門家で構成する「大麻規制検討小委員会」の第1回会合を開き、大麻取締法等の改正に向けた議論を始めた。論点はその中で示された。

 若い世代を中心にした国内での大麻事犯の増加、諸外国での医療およびヘルスケア用途での利活用の広がりなど、大麻を巡る国内外の情勢変化を受けて厚労省は昨年、有識者検討会を立ち上げ、現下の薬物対策のあり方を議論。小委員会では、大麻規制について現行の「部位」から「成分」への抜本的な見直しを図ることなどを提言した検討会報告書を受け、大麻取締法や麻薬及び向精神薬法の改正に求められる技術的な論点を整理、議論する。

【解説】

 小委員会での議論の行方は、海外で承認されている大麻由来医薬品の施用解禁を始め、すでに国内での販売展開が進んでいるヘルスケア用途のCBD(カンナビジオール)製品のあり方や市場に大きな影響を与える可能性がある。

 とりわけ注目されるのは、厚労省が論点に、「大麻の適切な利用の推進」を掲げた点だ。「成分規制等の導入により、神事を始め、伝統的な利用に加え、規制対象ではない成分であるCBDを利用した製品等、新たな産業利用を進め、健全な市場形成を図っていく基盤を構築していく必要があるのではないか」(第1回大麻規制検討小委員会配布資料より)として、神道儀式に用いられる「しめ縄」など大麻草の伝統的な利用の拡大や、CBD製品の健全な市場形成に向けた議論を進める必要性を指摘した。

 加えて、「THC含有量に係る濃度基準」の設定を検討する必要性にも言及。大麻に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)には強い幻覚作用があるとされ、厳しく規制されている。しかしCBD製品は大麻という天然物に由来するため、「THCを文字どおり『ゼロ%』にすることは困難」だと訴える声が輸入販売事業者などから上がっていた。

 小委員会の今後の議論の行方次第では、CBD製品について、THC含有量限度値を公的に設定したり、適正な製造・品質管理基準の制度化に向かったりする可能性が大いにありそうだ。そうした基準がなければ、THC含量を適切にコントロールするのは困難と考えられる。なお、小委員会の委員長を務めるのは、サプリメント・健康食品業界でもお馴染みの生薬学および分析化学の専門家、合田幸広・国立医薬品食品衛生研究所長である。

【石川太郎】

(冒頭の写真:第1回大麻規制小委員会、開始前の様子。5月25日午後、都内で)

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