どうなる?「霊感商法」検討会 河野大臣が会見「“霊感商法”は一般論」(大臣)
12日の就任会見で旧統一教会をめぐって問題となっている「霊感商法」について、検討会を立ち上げると表明した内閣府・消費者及び食品安全担当大臣の河野太郎氏の記者会見が15日午前、オンラインで開かれた。
霊感商法検討会をめぐる記者から受けた質問に対して、河野大臣は厳しい表情でてきぱきと素早く回答した。一問一答は以下のとおり(Qは複数の記者による質問をまとめたもの)。
Q:霊感商法検討会の発足に関するスケジュールは?
大臣:検討委会の進捗については発表できる段階で発表する。
Q: フランスの反セクト法に類似した構成の検討は、消費者庁が入るという法務省の別の検討会で検討がされるのか?消費者庁が検討するということは、あえてこれを外すための検討というようなことはないか?消費者契約法は、2018年の改正で霊感と特別な能力による知見として、そのままでは重大な不利益が生ずると不安をあおり、契約により確実にその重大な不利益を回避することができると付けた場合の契約取消権が導入されている。
しかし、相談の現場では本人に解約の意思が確認できない場合は、斡旋に入れない。また、その家族の相談で斡旋に入ろうとしても、相手が応じないという問題がある。これに対して、マインドコントロールに対してチームで対応をするとか、医師や心理学の専門家らを交えて、ギャンブル依存症やゲーム依存症のような連携体制を構築することをお考えか?
消費者契約の延長線上で捉えるのが非常に難しいのではないかと思うが、これに対して何かアプローチが考えられるのか?
大臣:消費者契約法に霊感商法が入ってから、消費者庁がどう対応してきたのかと振り返って反省すべきところがあれば、そこはしっかり改善をしていきたい。またその後、霊感商法から寄付商法に移行しつつある中で、消費者庁の対応は十分だったのかどうかということも議論をしていただきたいというふうに思っている。政府全体として法務大臣の下で取り組む会合については、まだ内容についてお話をする段階にはない。
Q:安倍元首相の暗殺によって今回の検討会の立ち上げを考えられたのだと思うが、全国霊感商法対策弁護士連絡会の代表世話人の山口広弁護士のお話だと、2009年の6月11日に起きた新世事件以降は、ほぼ、不特定多数の人に対する霊感商法の被害は出てないという。主に信者の方に対する被害が大変深刻になっていると聞くが、今回、霊感商法対策検討会という名前が妥当なのかどうか、例えば旧統一教会対策検討会とか、世界平和統一家庭連合対策検討会とか、それが妥当かどうかはともかく、(名称について)河野大臣のお考えをお聞きしたい。
大臣:まだ検討会の名前を決めているわけではない。霊感商法が消費者契約法に入ってからその後の消費者庁の対応について、まずはしっかり振り返っていきたい。
Q:それは今回起きた問題を巡って、河野大臣がお考えになったという理解で宜しいか?
大臣:まずは霊感商法についてきちんと振り返ろうということ。
Q:霊感商法一般と考えて宜しいか?
大臣:そのとおり。
Q:一般的な話だというふうにお答えになったが、そうすると、なぜこの検討会を立ち上げようというふうに思われたのか、疑問を感じるが、その辺いかがか?
大臣:霊感商法について様々な問題があると思っている。別にこれは個別の霊感商法について何かするということではなくて、まずは霊感商法一般についてきちんと議論をしていただきたいというふうに思っている。その先については、議論の流れによっていろんなことが考えられると思う。
Q:そうすると、旧統一教会は基本的に霊感商法をこれまでも一切やったことはないという主張を当然、ご存知の上での発言ということでよろしいか。
大臣:個別の団体がどうこうというのではなく、まず、この消費者契約法に基づいて、霊感商法というものが消費者契約法に入った後、消費者庁の対応がどうだったのか、それから霊感商法が霊感商法から別な形に移行しつつある中で、消費者庁が適切に対応することができてきていたのかどうか、それから今後についてどうしていく必要があるのか、そういうことはしっかり議論してもらいたいと思っている。
Q:2018年の消費者契約法の改正以前については、調べたり検討されたりという予定はないのか?
大臣:必要があればやってもらう。
【田代 宏】
(冒頭の写真:質問に答える河野太郎大臣)
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