こめ油を海外に拡販 オリザ油化、米国食品展示会に出展しアピール
新型コロナ禍の巣ごもり消費で需要が伸びた「こめ油」を海外市場に広げようと、オリザ油化㈱(愛知県一宮市、村井弘道社長)が提案を強化している。食用植物油の世界的な需給ひっ迫や大幅に進んだ円安も背景に、海外に打って出る「絶好の機会」だと同社は判断。国内での製造に加え、海外からの調達も通じて供給体制を安定化させ、国内外市場で販売を強化する。これにより、こめ油を世界的に普及させたい考えだ。
今月10日から13日の4日間、米国・シカゴで開催された食品業界展示会『IFT first 2022』。同社は、現地パートナー商社との共同出展のかたちで同展示会に初めて参加し、こめ油の魅力や有用性をアピールした。
同展示会には、食品の原材料や包装関係などのサプライヤーが多く集まる。そこで同社は、こめ油を米国を中心に食品メーカーや外食産業で需要の高いひまわり油の代替として提案。同社のこめ油とひまわり油の比較試験データを中心に提示するなどして、来場者にPRした。
「米国内でのこめ油の認知度はまだそれほど高くない」と同社。ただ、「ひまわり油を始め、世界的に植物油脂全般の供給不安」が広がっていることに加え、「エシカル消費志向が世界的なトレンドになりつつある中で、現代のSDGsとの概念とマッチした『サステナブル・オイル』であるこめ油に対する来場者の関心」の強さも背景に、「興味深い質問が数多く寄せられた」という。また、米国内のスナックメーカーやベーカリーメーカーなどといった食品製造会社から早速、取引きに向けたコンタクトがあったといい、「手応えを感じている」とする。
こめ油は、サプリメント・健康食品向け原材料などと並ぶオリザ油化の主力製品の1つ。同社は、こめ油の製造会社として1939年に創立、76年には低温抽出法を開発して世界で特許出願するなどしてきた経緯がある。供給体制も強み。国内自社工場での製造のみならず、海外メーカーとも連携しながら調達体制を整え、これまでにもアジア、ASEAN諸国向けにアピールしていた。
(冒頭の画像:IFT first 2022での出展ブースの様子。オリザ油化ニュースリリースより)