自社ホームぺージ上においてコロナ予防を標ぼうしてサプリメント『ビタミンD＋亜鉛』を販売していた㈱山田養蜂場（岡山県鏡野町、山田英雄社長）が、ホームページの「新着情報」から紹介記事を削除していたことが6日わかった。

同社は今月1日、『ビタミンD＋亜鉛』を新発売し、「新型コロナウイルス“第6波”に警戒を＜感染＞と＜重症化＞どちらも予防したい…お客さまの声に応えて「ビタミン D＋亜鉛」2021 年11月1日（月）新発売」として、ホームページの「新着情報」で紹介。リンク先には「報道関係者各位」とするプレスリリースがPDFファイルで表示され、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症に関する公表資料やビタミンDおよび亜鉛に関する海外の研究論文を引用、新型コロナウイルスのリスクに対するサプリメントの有効性を示唆していた。

消費者に誤認を与えかねないこのような宣伝に対してウェルネスデリーニュースは、消費者庁が新型コロナウイルスの便乗商法について警戒を呼びかけていること（「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について」）を知っていたか？　知っていたとすればあえて同リリースを発表した理由について。また、研究論文の科学的根拠などについて質問したが回答はなかった。

ところがきのう（6日）、同社のホームページを確認したところ、同リリースがこっそり取り下げられている。新着情報には、10月29日掲載の「第9回ミツバチの一枚画コンクール」の次に1日付の新商品リリースはなく、5日掲載の「第5回ミツバチの絵本コンクール」にスキップしている。

その理由について、当編集部への説明はない。ホームページ上のどこかに取り下げ理由に関するお詫びや理由が示されているかと探してみたが、6日現在見当たらない。
「メディア掲載情報」バナーも覗いたが、流行対策商品「免疫対策企画」「ウイルス対策企画」として、同社のアルコールハンドスプレーやプロポリスリッチスプレー、エキンセア粒、はちみつ乳酸菌シニア、プロポリス300、酵素分解ローヤルゼリーキングなどの商品名が並んでいるだけである。

山田養蜂場は少なくとも1日からの5日間、消費者に誤認を与えかねない広告表示をホームページ上で行っていた。取り下げの理由について、消費者あるいは報道関係者への説明は必要ではないか。なかには、リリースを真に受けて書かれてから、その後もインターネット上に残っている記事もある。

【田代　宏】

（冒頭の写真：差し替えられた山田養蜂場のHP、文中の写真：ある通信社が配信したニュースリリース）

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