消費者庁は9日、亜塩素酸による空間除菌を標ぼうするスプレーの販売事業者2社に対し、景品表示法に基づく措置命令を出した。

対象となったのはレック㈱（東京都中央区）が販売する『ノロウィルバルサン』と三慶㈱（大阪市中央区）が販売する『ケア・フォー　ノロバリアプラス　スプレー』の2品。

『ノロウィルバルサン』は、2020年9月8日～10月19日までの一定期間、楽天市場に開設した自社通販サイトにおいて、「クロラス酸で空間除菌　目に見えないウイルス・菌を99.9％除去」、「空間の気になるウイルスに効く」などと表示。
また、19年11月28日～20年10月28日までの間、YouTubeや小売業者の店頭動画広告などで同様の文字や音声と一緒に「クロラス酸がリビングなどの室内空間に浮遊するウイルスや菌を瞬時に99.9パーセント除去、または除菌する効果が得られる」かのように示す表示をしていたという。

同社は、家庭用空間処理殺虫剤「バルサン」を販売する東証一部上場企業。同社は今回の措置命令に対して10日、自社ホームページ上で「取消訴訟の提起と執行停止の申し立てを行うことを取締役会で決議した」と発表した。

三慶㈱の『ケア・フォー　ノロバリアプラス　スプレー』は、20年8月31日～10月19日までの間、同品を空間に噴霧することでクロラス酸が空気中に作用することにより、キッチンやリビングなどに浮遊する菌やウイルスを除去できるかのような表示をしていた。消費者庁の発表によれば、同社は以上の表示によって消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示をしていた旨を日刊紙2紙に掲載したという。同社はホームページ上でも謝罪の告知を行っている。

（冒頭の写真：消費者庁の発表資料より）