「補中益気湯」の薬理試験データ、日本薬学会で報告~小林製薬
小林製薬㈱(大阪市中央区、小林章浩社長)は21日、インフルエンザウイルスを用いた飛沫感染試験(非臨床試験)において、漢方薬「補中益気湯」の予防的な感染防御に関する薬理試験データを北里大学(東京都港区)と共同で取得したと発表した。3月26日~29日に開かれた日本薬学会第141年会で報告している。
小林製薬と北里研究所は2019年1月、漢方生薬の活用と応用を目的に、業務提携に関する基本合意を締結。ウイルス感染症に対する関心が高まるなか、両者は感染予防に役立つ漢方薬を探索してきた。その結果、疲労倦怠や食欲不振に用いられてきた漢方薬「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」に、感染防御免疫系を活性化し、ウイルスに対する生体防御反応を高める薬理作用があることを見出したという。
北里大学 東洋医学総合研究所の小田口浩所長は、「ヒトへの応用を考える場合、薬理作用の解明が重要。今後も『補中益気湯』をはじめとする漢方薬の評価を進め、得られた結果を両者で積極的に発信することで、漢方薬の新たな活用法を提案していきたい」と抱負を述べている。
(冒頭の写真:小田口浩所長)