1. HOME
  2. 学術トピックス
  3. 「真皮老化細胞モデル」の開発に成功 資生堂、再生医療研究の知見を生かした肌老化の原因解明に進む

「真皮老化細胞モデル」の開発に成功 資生堂、再生医療研究の知見を生かした肌老化の原因解明に進む

 ㈱資生堂(東京都中央区、魚谷雅彦社長)はこのほど、老化細胞から分泌されるSASP因子などを介して周囲の細胞に老化を連鎖させる特徴を持つ「真皮老化細胞モデル」の開発に成功したと発表した。再生医療研究の知見を活用した。

 これにより、これまで困難とされてきた老化細胞、その周囲の細胞の様子、SASP因子が及ぼす影響について、安定的に詳細な観察をすることが可能になる。また、開発した「真皮老化細胞モデル」を用いて、ニーム葉抽出液がSASP因子分泌の制御に関わるNFκB産生を抑制することを確認したという。

 同研究の成果の一部を、「日本組織培養学会 第94回大会」(2022年7月8日)で発表した。

 同社は2013年から本格的に再生医療研究に着手しており、一連の研究の中で肌の老化を研究するため、生体内に近い性質をもつ老化細胞の再現に取り組んできた。今回開発に成功した真皮老化細胞モデルは、細胞サイズの肥大化、細胞増殖の停止、老化マーカーの検出といった老化細胞の特性が再現されており、炎症性サイトカインを中心とした複数のSASP因子の発現も確認している。また、細胞増殖性を停止した状態で長期培養することができるため、三次元皮膚モデルなど、幅広く応用できるとしている。

 同研究により、老化現象の解明に重要なSASP因子と皮膚老化の関係性をより詳細に研究することが可能になった。同社では、今後も真皮老化細胞モデルを用いて、新たな実験法の開発やこれまでにはない皮膚老化へのアプローチ創出などに挑むとともに、同社ミッションである「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」の実現を目指して、異分野と皮膚科学研究との知見・技術を融合し、新たな価値の創出に挑戦し続けるとしている。

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ