「消費者被害が発生しないように対応する覚悟」~井上大臣
井上信治内閣府特命担当大臣は14日、消費者庁で消費者関連団体との懇談を行った。冒頭で井上大臣は、「今後の消費者政策の企画立案に資するため、積極的な意見交換の場とさせていただきたい」と挨拶した。懇談には、全国消費者団体連絡会、全国消費生活相談員協会、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、日本弁護士連合会の各代表らが参加した。
懇談後の会見で井上大臣は、「消費者行政は、デジタル化、成年年齢引き下げ、コロナ禍の新しい生活様式などさまざまな課題がある。意見交換によって、各関係団体と考え方がほぼ一致していることが確認できた。引き続き協力しながら、消費者のために活動していきたい」と話した。
特商法の契約書面の電子化に関する各団体との意見の相違について井上大臣は、「自身の考えを丁寧に伝え、一定の理解を得ることができた。同時に、各団体側の意見を得ることができ有意義だった。そのうえで、これから政省令で詳細な制度設計を行う。引き続きさまざまな意見をお願いしたい」と話した。
また、「消費者団体は、悪質な業者が今回の改正内容(の隙間)を突き、消費者被害を発生させることを懸念している、そのようなことがないよう対応する」との覚悟を伝えたという。さらに「消費者行政のデジタル化は避けられないが、消費者被害を減らすことの重要性も再確認することができた」と述べた。
さらに大臣は、「悪質な事業者に対して、消費者と良質な事業者、各団体の協力が不可欠であり、団体側からも同様の意見が得られ、心強く思っている」とした。一方で、「高齢化やコロナ禍による活動制限などもあり、弱体化している団体があることを懸念している。行政として、できる限りの支援を行いたい」とも話した。「今回の懇談は大変有意義であり、今後も、こうした意見交換の場を設けていく」と消費者行政の拡充に意欲を示した。
【藤田 勇一】
(冒頭の写真:懇談後に大臣室で会見する井上大臣)