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「国際おやつ(OYATSU)研究会」第1回シンポを開催

 (一社) ウェルネスフード推進協会(WFA 矢澤一良代表理事)は4月、分科会として「国際おやつ(OYATSU)研究会」を設立し、30日に第1回シンポジウムをオンラインで開催した。同研究会は、日本の伝統的なおやつの食習慣を再評価し、健康増進を目的に機能性おやつの研究推進、国内外への啓発を行っていくことをミッションとする。

 講演では、㈱ファーマフーズ顧問、近畿大学農学部食品栄養学科元教授の米谷俊氏が「健康機能を有するおやつ;OYATSU」を演題に、近年発表された治験を傍証にしながら、おやつが健康維持に果たす役割やわが国の最近の機能性表示食品の届け出状況なども踏まえて、今後期待される機能性おやつのヒントを示した。

 食育基本法に基づいた「食事バランスガイド」では、3食で糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルなどを不足なく摂取することが健康維持の礎と規定されている。米谷氏は「勤務形態や家庭の事情などにより多様化した食事において、おやつは健康維持に必要な成分を補う貴重な役割を担うようになっている」と指摘。「機能性成分を含むおやつを食習慣にうまく取り入れることで、生活習慣病などのリスクを少なからず低減させることが可能」と話した。

 また、わが国では若い女性の痩身志向と中高年のメタボ・フレイルといった課題がある。女性が妊娠初期に低栄養状態だと低体重児の出生率が増加し、子どもは成長後に生活習慣病にかかるリスクが高まる。学習能力にも影響を及ぼすと説明。
 OECD加盟国の低出生体重児頻度の調査でも、「日本は平均値から大きな隔たりがある。若い女性の食習慣の改善が必要」と述べ、「必要成分は機能性を有するおやつでも摂取可能であることを広く知らせてほしい」と訴えた。

 さらに、高齢社会となったわが国では、出生時から中年世代のメタボ、高齢者の認知機能低下やフレイルなど、ライフサイクル全般を見通して、「これらすべての世代にさまざまなシチュエーションで健康に資する成分を含む機能性おやつが求められている」とし、今後の食品研究・開発に期待を寄せた。

 なお、同研究会では年度内に10回のオンラインシンポジウムを予定しており、第2回は5月24日(月)16時から、名古屋大学名誉教授の大澤俊彦氏が講演する予定。

【堂上 昌幸】

(冒頭の写真:オンラインシンポジウムで講演した米谷俊氏)

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