きょう発足「健康食品試験法研究会」 食品のための新たな試験法の確立を目指す
機能性表示食品においてプラセボ対照試験に代わる新たな試験法の可能性を探る「健康食品試験法研究会」がきょう4日、東京大学名誉教授・唐木英明氏を代表として発足した。
食品の場合、機能性成分の薬理作用が小さいため、プラセボ対照試験によって統計的有意差を得ることは簡単ではない。この困難を解決しようとして、統計法の不適切な使用が起こり、8月には技術系メディア『日経クロステック』の連載記事で機能性表示食品が批判された。
ASCON科学者委員会の鈴木勝士委員長によれば現在、届出資料の全てがプラセボ対照を採用し、その1割以上に統計上の問題があるという。
食品の機能性の立証に医薬品のプラセボ対照試験をそのまま流用するのではなく、食品の特性に合った試験法、例えば無処置対照など食品機能のために最適な試験法について検討し、結論を得ることを目的として同会は設立された。
今後、定期的に研究会を開催し、機能性表示食品を含む食品のための試験法について検討。プラセボ以外の対照群を採用することについて消費者庁への提言および相談を行う。研究会で得た結論については、科学・医学界、関係機関・団体、関連企業と情報を共有するとともに、メディアを通じて社会への周知を図る。会員は以下のとおり。
<会 員>
研究会代表 唐木英明(東京大学名誉教授、食の信頼向上をめざす会代表)
研究会会員 池田秀子(一般社団法人日本健康食品規格協会理事長)
(五十音順) 鈴木勝士(一般社団法人ASCON科学者委員会委員長)
竹田竜嗣(学校法人関西福祉科学大学講師)
長村洋一(一般社団法人日本食品安全協会理事長)
森下竜一(学校法人大阪大学大学院寄付講座教授)
以上、敬称略
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