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HIFU施術事故巡り関係機関に聴取 消費者庁、消費者安全調査委の議事要旨公表

 消費者安全調査委員会は6月20日、エステサロンなどで使用されている高密度焦点式超音波(HIFU)による事故について、関係行政機関に対するヒアリングを行った。きのう5日、消費者庁が議事要旨を公表した。

 同委員会の委員長を務めるのは、中川丈久氏(神戸大学大学院法学研究科教授)。厚生労働省、経済産業省、消費者庁に対し、HIFU事故の再発防止に向けた取り組み状況などについて聴取した。

 HIFU施術については今年6月7日、厚生労働省医政局医事課長通知(医政医発0607第1号)により、用いる機器が医療用であるかどうかは関係なく、医師免許を持たない者が行として行えば医師法第17条違反に当たること、医師による施術行為は医療提供施設において行うこと(医療法第1条の2第2項)、違反行為に関しては調査の上、違反行為の停止を勧告し指導によって改善が行われない場合は刑事訴訟法に基づく告発も視野に入れるなどを関係機関に周知している。

 同委員会では、「セルフHIFUが医行為に当たるかどうか」、「HIFU機器の出力の高低や侵襲性が医行為であるかどうかの判断に影響するか」、「プラットフォームにおける違反監視行為の今後のアプローチのあり方」などについて尋ねた。

 セルフHIFUについて厚労省は、医師法が規制している範囲外と説明。そういう危険行為が行われないように国民の理解を求めた。それに対して中川委員長は理解しがたいとして反問。セルフエステサロンなどで事業者が客に「うちにあるものを使ってください」と言えば医師の監督下にない使い方をしたことになるのではないか。まさに厚生労働省が規制している「どんぴしゃの場合ではないか」とし、「そういった場面について、医師法の適用がどのような理屈で及ぶのか及ばないのかについての厚生労働省の考え方を、条文に即した形で説明した文書」を事務局宛てに提出することを求めた。

 それに加えて宗林さおり委員(岐阜医療科学大学薬学部教授)は、個人が自宅などで使用するHIFU施術についても、そのことで事故が起きないような対策について、考え方をまとめるように求めた。

 また同氏が、HIFU機器の出力の高低が違反行為の有無に関係するのかどうかを尋ねたところ、厚労省は「機器の出力や照射方法の範囲による限定はせず、熱凝固を起こさせる行為を医行為とする」と答えた。

 その他、プラットフォームをはじめHIFU機器の流通監視による抑止効果や指導のあり方などにも質問が及んだ。

【田代 宏】

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