『ブロリコ』の広告を修正、申し入れ終了~埼玉消費者被害をなくす会
<「驚きの元気パワー」「野菜不足を補う」などの行き過ぎた表現>
消費者庁は13日、適格消費者団体の埼玉消費者被害をなくす会が健康食品販売会社のイマジン・グローバル・ケア(株)に対し、サプリメントの広告表現が景品表示法に抵触するとして是正を求めていた件について、同社が修正したことで申し入れ活動が終了したと発表した。
同社は、サプリメント『ブロリコ』を販売する際に、新聞折り込み広告やウェブ広告で、「ブロッコリーの新しいパワー」、「驚きの元気パワー」、「『ブロリコ』のパワーは非常に高い」などと表示。体験談では「野菜不足を補ってくれているみたい」、「…(略)季節の変わり目でも元気に過ごせるようになった」などと表示していた。
同会は、表示全体から一般消費者が、『ブロリコ』を摂取すると驚きの元気パワーが生じると誤認する点を問題視。体験談の「野菜不足…」については、本当に野菜不足を補うのであれば根拠資料が必要となり、そうでなければ景表法で禁止している優良誤認表示に該当すると指摘した。
申し入れの結果、同社は昨年11月7日、同会に対し、「驚きの元気パワー」を「健康パワー」に、「元気成分『ブロリコ』のパワー」を「健康成分『ブロリコ』パワー」に変更するなど、申し入れに対応すると連絡。同会は今年8月27日、問題の表示が削除されたことを確認し、申し入れ活動を終了した。
<免疫力向上による効能効果も「根拠なし」>
『ブロリコ』の広告・表示については、消費者庁が今月1日、科学的根拠がないにもかかわらず「免疫力を高める」などと標ぼうしたとして、景表法違反による措置命令を出した。同商品を摂取するだけで免疫力が高まり、疾病予防などの効果が得られるかのような表示をしていたが、同社から提出された資料は合理的な根拠と認められなかった。
健康食品業界では、乳酸菌やオメガ3オイルをはじめ、多数の成分で免疫力向上による効能効果を標ぼうした広告が見られる。しかし、信頼できる十分な科学的根拠は整備されていない。さらに、ガンやアトピー性皮膚炎の患者に有効であるかのような説明も散見されるなど、患者の弱みに付け込んだ商法として問題視されている。このため行政には、免疫力向上を標ぼうする動きを抑え込む取り組みが求められそうだ。
(写真:『ブロリコ』)