消費者庁、トクホ通知改正案を示す 来月下旬発出へ、製造・品質管理に関する項目新たに
消費者庁はきょう27日、特定保健用食品(トクホ)の表示許可等に関する事項を示した通知の一部改正案を公示し、パブリックコメントの募集を開始した。
改正案の内容は、トクホの製造・品質管理に関する事項を新たに示し、これを許可要件などにすること。それに関連し、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品(サプリメント)を対象にしたGMP基準を示し、同基準に基づく管理体制の確保を許可要件にする他、許可後の遵守事項にする。このほか、疾病リスク低減表示の許可文言の表示例や、科学的根拠資料の考え方などを新たに明記。意見募集期間は来月28日まで。
改正案が示されたのは、消費者庁次長通知「特定保健用食品の表示許可等について」。昨年、機能性表示食品のサプリに生じた健康被害問題を受け、機能性表示食品制度と同様にトクホ制度も見直す方針を政府が固めていた。昨年12月、消費者庁内に置かれた有識者専門部会が通知改正について審議、大筋で了承していた。
同庁食品表示課は、改正通知の発出日について、「来月下旬」としており、パブコメ受付終了後すぐに発出する構え。GMPの要件化の適用期日については、機能性表示食品と同様、「来年9月1日」としている。基準の適用で、機能性表示食品とトクホのサプリの製造・品質管理にGMPが義務付けられることになる。トクホについても、サプリ以外の加工食品として申請する場合は、サプリに該当しない合理的な理由の説明が求められる見通し。
疾病リスク低減表示、許可文言表示例を追加
通知改正案では、疾病リスク低減表示について、許可文言の表示例を一部修正したり、追加したりしている。表示例ではまず、「この食品は〇〇を豊富に含みます。適切な量の〇〇を含む健康な食事は、□□(疾病)に係るリスクを低減する可能性があります」。現行通知では「リスクを低減するかもしれません」とされている。
また、「日頃の運動と〇〇を豊富に含む健康的な食事は、△△の方に適しています。△△は、□□(疾病名)のリスク因子です」との表示例も提示。疾病リスク低減に関する2段階表示を行えることが明確化される。ただし、この表示に関しては、関与成分と疾病の関係について「どの程度の関連性があるのか(根拠の強さ)は個別審査が必要」とされており、表示許可のハードルは引き続きかなり高いとみられる。
【石川太郎】
関連資料:「『特定保健用食品の表示許可等について』の一部改正について(案)に関する意見募集について」(政府のe-Govパブリック・コメンサイトへ)
:消費者庁、トクホ次長通知を改正へ サプリ形状GMP要件化、疾病リスク低減表示の見直しも