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改正景表法施行後初、確約計画認定 パーソナルジム運営事業者から申請

 消費者庁はきのう26日、景品表示法第31条第3項の規定に基づく確約計画の認定を行った。今回の認定は、2024年10月1日に改正景品表示法が施行されて以降、初めてとなる。

 確約計画とは、昨年10月1日に施行された改正景品表示法に導入された確約手続において、景品表示法の違反被疑行為の概要・法令条項等の通知(確約手続通知)を受けた事業者が、通知後60日以内に自主的に作成し申請するというもの。確約計画の認定は、措置命令同様、景品表示法に基づく行政処分ではあるが、景品表示法の規定に違反することを認定したものではない。

 今回確約計画が認定された事業者は、パーソナルジム「かたぎり塾」の運営(直営及びフランチャイズ等)を行うcaname㈱(東京都渋谷区、伊藤健一郎社長)。
 同社は、2020年9月1日から24年7月31日までの期間、「かたぎり塾」というパーソナルジムにおいて提供する運動指導を一般消費者に提供するに当たり、自社ウェブサイトにおいて、表示されている期間(同7月31日)に無料体験を行い、体験当日に入会した場合に限り、通常5万円の入会金が値引きされるかのような表示をしていた。しかし実際には、表示された期間後であっても、無料体験当日に入会した場合は、通常5万円の入会金が値引きされるものである疑いがあったという。

 同庁が25年2月3日、同社に対して同法第30条の規定に基づき、確約手続通知を行ったところ、同社から同法第31条第1項の規定に基づき、確約計画の認定の申請があった。
 同庁は、当該確約計画が違反被疑行為による影響を是正するために十分であり(措置内容の十分性)、かつ、その内容が確実に実施されると見込まれるものであると認め(措置実施の確実性)、26日、同条第3項の規定に基づき、当該確約計画を認定した。

 認定した確約計画の概要によると、同社は、①同違反被疑行為を行わない旨を取締役会で決議すること、②同行為の内容について一般消費者に周知徹底すること、③同行為及び同種の行為が再び行われることを防止するための各種措置を講じること、④同行為を行っていた期間に「かたぎり塾」に入会した一般消費者に対し、支払われた入会金の一部を返金すること、⑤①~④の措置の履行状況を消費者庁に報告することが求められている。

ことごとく回答拒否「調査に関わる」(消費庁)

 同庁が行った記者発表に対して、記者からは数多くの質問が寄せられた。認定した確約計画の概要④では、同行為を行っていた期間に「かたぎり塾」に入会した一般消費者に対し、支払われた入会金の一部を返金するとある。期間内に入会した人にどのような被害があったのか、期間が過ぎていても入会金が割引されているため、どこにどのような被害が発生しているのか不明だとして説明を求める声があった。
 それに対して、同庁表示対策課、上席景品・表示調査官の高橋佑美子氏は、どのような被害が発生しているのかは言えないが、同社が、表示した期間後に無料体験し、その当日に入会した人に対しても同様に入会金の割引をしていたということが有利誤認の疑いがあった。それに対して同社から一般消費者に被害回復を行う旨の申し出があり、措置内容の十分性を満たすと判断したと説明した。

 また、同社の売上、返金額、返金人数、調査の開始時期などの具体的な内容については、調査に関わることとして回答を差し控えるとした。さらに、今回違反が判明した経緯が、消費生活センターなどからの通報なのか、また本件以外にも確約計画の通知、申請があるのかどうかについても同様に、調査に関わることとして回答を差し控えるとした。

 今後、同計画の認定が取り消される可能性があるかについて高橋氏は、認定を受けた確約計画に従って是正措置、影響是正措置が実施されていないと認める場合、虚偽または不正の事実に基づいて各計画の認定を受けたことが判明した場合、認定が取り消され通常の調査が再開される可能性があると説明した。

 また、同社からは「今回の事案の発生を真摯に受け止めており、今後、確約計画を誠実に履行し、再発防止に努めてまいります」とのコメントがあったとしている。

【藤田 勇一】

(冒頭の写真:説明した同庁表示対策課、上席景品・表示調査官の高橋佑美子氏)

関係資料:消費者庁ホームページへ

関連記事:消費者庁、改正景表法説明会開催~in名古屋 確約手続導入、課徴金制度の見直しについて解説

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