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ビバ・ナチュラル事件(4) 健康食品広告・表示の「判例」解説

堤半蔵門法律事務所 弁護士 堤 世浩 氏

<第二審(東京高等裁判所)>

東京高等裁判所で行われた第二審について見ていく。
X社(販売会社)らは、第一審が『ビバ・ナチュラル』について、外観上医薬品に相当程度近似していると認定したこと、販売形態と販売する際の演述・宣伝で、医薬品的効能効果に言及したと認定したことは、いずれも事実誤認であるなど(治験例集計紙は学術資料として発表されたものであるから、薬品効能書と見るのは事実誤認であるなど)として控訴した。

第二審の判断は控訴棄却だった。その理由について、次のように述べている。

(1)医薬品の意義について、第一審の判断を是認。

(2)外観上医薬品に相当程度近似していると認定した点について、第一審の認定した事実に次の事実を追加した上で、箱の外部に「海藻のエキス」「健康食品」と表示し、箱に入れられている注意書に医薬品ではない旨の記載があるとしても、『ビバ・ナチュラル』が外観上医薬品に相当程度近似しているとの印象は否めないと判示し、第一審の判断を是認した。

追加した事実は以下のとおり。
・1箱4,500円の小売値が『ビバ・ナチュラル』の外箱に表示されていること。
・箱内に入れた厚目の紙を使用した印刷物にも、1日1包の処方を指示したものとみられる記載があること。

(3)販売形態と販売する際の演述・宣伝で、医薬品的効能効果に言及したと認定した点について、X社らは、治験例集計紙は学術資料として発表されたものであるから、薬品効能書と見るのは事実誤認であるなどと争った。しかし、第二審は、仮にこれが当初、学術資料として発表されたものであったとしても、X社らは『ビバ・ナチュラル』の薬理作用を明示したこれらの書面をコピーして、自らの企画した海藻についての医学博士の講演の際に、参加者に『ビバ・ナチュラル』の試供品と共に配布などを行っている以上、これを『ビバ・ナチュラル』を販売する際の演述・宣伝の1方法として認定することは当然であるとして、第一審の判断を是認した。

<最高裁(最高裁判所第二小法廷判決)>

X社らは第二審判決を不服として上告したが、最高裁は第二審判決を是認して上告を棄却。これにより有罪判決が確定した。

最高裁は傍論として次のとおり判示した。

「『ビバ・ナチュラル』の成分、形状、名称、表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、特に販売に際して『このビバ・ナチュラルは、高血圧、動脈硬化、肝臓疾患に非常に効果がある』旨を記載したポスターや、これらの疾患、症状に対する薬理作用を示す『治験例集計紙』を添付するなどして、その医薬品的効能効果を演述宣伝している事実などを総合して、本件『ビバ・ナチュラル』が薬事法2条1項2号の医薬品に当たるとした原判断は正当である」(※薬事法:現・医薬品医療機器等法)。

(つづく)

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