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セルナーゼ事件(2) 健康食品広告・表示の「判例」解説

赤坂野村総合法律事務所 共同代表 弁護士 堤 世浩 氏

<『セルナーゼ』のパッケージ表示>

『セルナーゼ』は、成分となる原料粉末を茶色のハードカプセルに充填し、これをPTPシートに充填した上で、3シート1セットとして専用の外箱に入れて販売された。PTPシートの裏面には「栄養補助食品」と印字されていた。

外箱は幅約12.5cm・高さ約8cm・奥行き約3cmの白地の箱。正面の右半面に、「CELLNAZE」「460mg」「3way capsule」「30cap」「The corn silk controls the amount of the body water, and makes a slim body.」(※和訳:コーンシルクは体内の水分量を調節して、スリムな体型を作ります)と記載。また、「460mg」の左横には茶色のカプセル1錠の画像が印刷されていた。左半面には、女性(裸体)の上半身のシルエットが、ウエストのくびれを強調するように腕を組んだ状態で掲載されていた。

外箱の裏面の左半面には、名称(コーンシルクエキス含有食品)、原材料名、内容量、賞味期限などの表示や、「お召し上がり方」として「1日1粒?2粒を目安に水またはお湯でかまずにお召し上がりください。」とある。右半面には、「ご注意」として「妊娠・授乳中の方はご使用をお控えください。薬を服用中、または通院中の方は医師に相談の上、ご使用ください。」などと記載されていた。

<裁判の争点と判決>

製造業者「X研究所」の代表であるX1は、『セルナーゼ』を5,885箱製造し、企画・卸売業者のYへ販売した。Yは、本件企画書に記載された成分や効能効果を『セルナーゼ』の広告資料(宣伝用ホームページ、メールマガジンの原稿)にそっくり書き写すなどした上で、小売業者などに『セルナーゼ』を販売した。

裁判の争点は次の2つだった。(1)『セルナーゼ』は薬事法(当時)の「医薬品」に該当するか、(2)X1に無許可製造の故意はあるか。第一審判決は、『セルナーゼ』が医薬品に該当することを認めて有罪(医薬品の無許可製造)とし、以下の量刑を言い渡した。

・X社:罰金100万円

・X1:懲役8月(執行猶予3年)と罰金100万円

X社・X1は控訴したが、控訴審判決は「棄却」。これにより、第一審判決が確定した。

(つづく)

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