健康サポ薬局、地域連携薬局の課題 薬局機能検討会、取りまとめへ~厚労省
厚生労働省は9月30日、有識者会議「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」(薬局機能検討会)における「これまでの議論のまとめ」を公表した。同検討会は昨年12月から先月まで9回にわたり開催、少子高齢化が進む地域において薬局・薬剤師がどのように貢献できるか、在宅や夜間・休日対応、へき地における薬剤提供体制などについて幅広く議論してきた。
地域における薬局と薬剤師の役割を再評価し、今後の薬局機能の強化について方向性を示した。 地域における薬局がどのような役割を果たすべきか、健康サポート薬局や地域連携薬局の機能強化がいかに重要であるかが議論されている。
議論の中で、薬局は医薬品提供の場に留まらず、地域医療を支える重要な役割を果たすべきとの意見が出た。薬物療法のサポートを行うだけでなく、在宅医療、夜間・休日対応、感染症や災害時支援など、多岐にわたるサービスの提供が求められている。
健康サポート薬局の課題と役割
健康サポート薬局は、地域住民の健康維持・増進を積極的に支援する役割が期待されているが、現状ではその利点が十分に周知されておらず、利用が進んでいない。とりあえずは、健康サポート薬局の役割をより明確にし、地域住民に対して周知活動を強化することが必要とし、薬局自体が地域の行政機関や他の医療機関と連携しながら、健康相談や介護予防などの対策を積極的に行うことが重要とされた。
地域連携薬局の専門性
地域連携薬局は、在宅医療の支援を行い、地域全体で必要な医療サービスを提供する中心的な存在。医療用の麻薬調剤の対応、ターミナルケアを受ける患者の対応、無菌製剤処理、医療機関との情報共有などの専門的な対応が求められ、地域における医療資源のある効果的な活用が課題として示された。
地域医療体制の構築に向けた今後の課題
検討会では、地域の住民に応じた医療体制を構築するため、行政や薬局、医療機関が連携して取り組む必要性のあることが強調された。特に、夜間・休日の対応や在宅医療については、医療計画を踏まえ、地域全体で役割分担を明確にし、必要なサービスを提供する体制の整備が急務であるとした。
その他、「健康サポート薬局について、通常の薬局との差異が明確ではない」、「健康サポート薬局および地域連携薬局の要件の整理は必要」、「健康サポート薬局の要件を見直す際には、在宅対応など地域連携薬局が中心的に担う機能については緩和してもよい」などの意見が出た。
他方、「地域住民にとって高度な機能を有した薬局があることはよいことであり、現在の健康サポート薬局の基準を緩和せずに残してもよいのではないか」との対案も示された。
今回の検討会では、薬局や薬剤師が果たすべき役割の重要性が全面的に確認された。厚労省は今後も、「患者のための薬局ビジョン」を踏まえ、対人業務の強化や地域連携を推進することが重要とする一方で、薬局を取り巻く社会環境の変化に合わせて、今後の薬局の目指すべき姿やそこに向かうための方策を引き続き検討すると結んでいる。