1. HOME
  2. 健康食品
  3. 健康食品を信じる人が報われるように 通知改正説明会、消費者庁らが業界に呼びかけ

健康食品を信じる人が報われるように 通知改正説明会、消費者庁らが業界に呼びかけ

 小林製薬㈱(大阪市中央区)が製造していた原材料(紅麹)を含むサプリメントによる健康被害が生じた問題で、消費者庁と厚生労働省の担当官が23日、健康食品業界に対し、製品の安全性確保などに自主的に取り組むよう要望した。消費者庁食品衛生基準審査課の新開発食品保健対策室長は、「義務化されている、されていないにかかわらず、健康食品を信じ、食べた人たちが報われる取り組みをしていただきたい」と述べた。

平成14年通知、「自治体が再認識した」

 同日オンラインで開催された、健康食品の安全性確保や健康被害の拡大防止などを図る行政通知「平成17年通知」及び「同14年通知」の改正(先月13日付)に関する健康食品事業者向け説明会での出来事。

 健康被害疑い情報の収集や分析を担当する厚生労働省食品監視安全課の食中毒被害情報管理室担当官は、今回の健康被害問題の発生と、通知改正のタイミングが重なったこともあって「自治体が14年通知を再認識した」と指摘。改正の狙いどおりに通知が機能していることを伝えた。同通知に基づき自治体から厚労省に報告された、小林製薬の『紅麹コレステヘルプ』などに関する健康被害疑い情報の件数は、現在までに約1,500件に達しているという。

 このため、今回問題になっている製品かどうかに関わらず、「今後も健康被害が疑われる情報が(各自治体から厚労省へ)上がってくる」との見通しを示した。「万が一、今回と同じような事案が発生すれば、緊急的な対応も含め、行っていく必要があると考えている」

 同担当官はまた、「いわゆる健康食品は、食品一般に含まれている。そのため当然、食品衛生法に対応していただく必要がある。法には事業者の責務が明記されているし、健康被害情報が生じた際は自治体への報告に努める必要がある」とし、業界に対して、改めて食衛法を理解するとともに、報告ルートの確保などといった危機管理体制を再検証するよう求めた。

 また、両担当官とも、「行政だけでは(今後の再発防止に)対応することは難しい」とし、健康食品の安全性確保に向けた協力を事業者と業界に求めた。「連携しながら取り組んでいきたい」という。

 一方、説明会の配信や庶務を請け負った健康食品業界団体(公財)日本健康・栄養食品協会の矢島哲也理事長は、開会挨拶の中で、「健康食品の安全性と品質の確保、健康食品全体の底上げに向けて頑張っていきたい」などと語りはしたものの、風評が広がるなどして業界全体に影響が及んでいる今回の健康被害問題に対する直接の言及は避けた。

【石川 太郎】

関連記事:通知改正のポイントを聞く 平成14・17年通知改正めぐる新開発食品保健対策室専門官との一問一答
    :健康食品2大通知、改正でどうなる? サプリの製造と品質管理に熱い視線が注がれる
    :新通知、GMP認証機関はどう見るか (一社)日本健康食品規格協会、池田秀子理事長に聞く
    :新通知、GMP認証機関はどう見るか (公財)日本健康・栄養食品協会、増山明弘・健康食品部長に聞く

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ