山笠太郎の大冒険~令和の片隅で何思う」(後)

山笠太郎

<子会社の重役は損な役回り?>

 さて、出世に興味のないはずだったマッサンだが、ここ数年は法事などで会うたびに「太郎も大学は大したことなかったけど、今は従兄弟のなかでは出世頭だよなぁ…」と、挨拶代わりにニヤケ顔で話しかけてくる。まさか7歳も年上の、しかも出世とか、そ~ゆ~ことにからきし興味のないはずのマッサンが、聞きようによっては嫌みにも取れる発言を小生に連発するのはあまり気持ちの良いものではない。

 「結局人間とは…そ~ゆ~もんなんだなぁ」と、マッサンが定年退職したときに「もういいよ」と、小生的には違和感タップリな感じで吐き捨てるようにつぶやいた彼の言葉の意味をようやく理解できたような気がした。

 某専務と雑談する機会があった。「山笠、これから先、中期経営計画の連結売上目標を達成するためにはね、M&Aや業務提携が必要になってくる。現行グループ会社の再構築も戦略的に検討しなければならない。でも、現実は本体のマネジメントでアップアップな状態で、本来これから手を付けなければならない事業領域に必要な人材を送り込めるほど、うちの会社には人的資源に余裕がないんだ」と。

 「そうですか、定年延長と併せて役職定年延長も必要ですね。人手不足、超高齢社会の行く末を考えると、中州食品工業もそろそろマネジメント層の人的資源確保の対策が必要じゃないですか」と小生。すると専務は無遠慮にぎらりと目を輝かせて、「山笠だから言っちゃうけど、うちの社長はさぁ、延長しなければならないとはわかってるんだけど、急激に導入すると人件費が増えすぎちゃうっていうんで悩んでるみたいなんだ」。

 ふ~ん。「60歳以降も再雇用扱いで、子会社の社長だ~専務だ~などと責任だけは今まで以上に背負わされるなんて割が合わん」と思ったが、さすがにその言葉は飲み込んだ。経営者とは会社がいくら利益を上げても、基本給の底上げは望まないものなのだと、改めて実感したものだ。

 その一方で、好決算が出ると期末に臨時ボーナスを支給し、社員の“ガス抜き”をコソッと行っている企業がなんと多いことか…。これ以上は小生、暗い夜道を歩けなくなるので、この話はこの辺でやめておく(爆)。

 

<生涯現役は天皇陛下も同じ>

 さてさて、天皇陛下最初の国賓となる米国のトランプ大統領との晩餐会のシーンを運良くテレビの生放送で見る機会を得た。

 天皇陛下が小生と同じく1960年生まれということもあり、日頃はこの手のニュースにクールな小生なのだが、ジャイアンをカスタマイズさせたような超リアリスト、トランプ大統領と対峙しての新天皇の気品あるその佇まいに、なぜか目頭が熱くなった…。W杯サッカーやオリンピックでの君が代を聞く感動とは違った、人生で初めてかもしれない感覚…日本人のDNAを実感した瞬間であった。

 新天皇陛下は60歳目前の59歳で天皇陛下に即位され、恐らくこれから想像を絶する激務が待っている。失礼ながら、まさに生涯現役同世代として、自分もまだまだ頑張らねばと、良い意味で気合いを注入された瞬間でもあった。やっぱりオレって単純かばい。

(了)

(前)

<プロフィール>

山笠太郎(やまがさ たろう)

 1960年生まれ。三無主義全盛のなか、怠惰な学生生活を5年過ごした後、大手食品メーカーにもぐり込む。社内では、山笠ワールドと言われる独特の営業感で今日に至る。博多山笠は日本一の祭りであると信じて疑わない。

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