科学ジャーナリストの植田氏、トクホ・機能性表示食品の問題点を斬る

<わずかな有意差、どのような意味?>

 食の安全・監視市民委員会の市民講座「効かない健康食品 危険な健康食品の見分け方」が6月19日、都内で開催され、科学ジャーナリストの植田武智氏が健康食品をめぐる問題を解説した。

 植田氏は、特定保健用食品(トクホ)について「臨床試験を実施し、国も審査している。しかし、どの程度の効果があるのかが問題」との考え方を示した。あるトクホ飲料を例に挙げ、「臨床試験の結果、ウエストサイズの縮小は摂取12週目でプラセボ群と有意差が付いたが、その差はわずか0.7ミリメートル」と説明。「これは利用者が期待している数値なのか」と述べ、消費者を欺いていると痛烈に批判した。

 機能性表示食品にも言及。膝関節の違和感の改善を訴求する機能性表示食品を例に挙げて、機能性の根拠としている試験データを問題視した。「試験データを見ると、疾病者も含んでいたため、疾病者を除いて評価した結果、摂取前の時点で差が出てしまった。消費者庁の検証事業でも問題視されたが、今もそのままだ。そうした問題のある届出が多数ある」とし、消費者庁に厳格な対応を求めた。

 また、ビタミンやミネラルを高配合したサプリメントの問題にも触れた。「そもそもビタミン・ミネラルは不足しているのか」とし、そうした商品の必要性に疑問を投げかけた。「特に脂溶性ビタミンについては、過剰摂取の懸念がある。この問題は食品安全委員会も指摘しており、また機能性表示食品制度でも過剰摂取の心配があるため、ビタミン・ミネラルを対象としていない」と話した。

 

<肝機能障害が多発>

 植田氏は、「健康食品による健康被害で多いのが肝機能障害である」と説明した。大手通販会社のダイエットサプリメントによる肝障害の疑いが報告されたが、因果関係が不明なため、今も販売されているという事例を紹介。トクホや機能性表示食品でも、肝障害が疑われる事例が報告されていると指摘した。「最も危ないのがいわゆる健康食品だが、トクホでも健康被害が発生しているので、本当にその商品が必要かどうかを考えてほしい」と注意を呼びかけた。

 また、健康食品については、医薬品のような公的な被害救済制度が整備されていないと説明。「被害を受けた場合、まずは弁護士会の法律相談で、食品問題や消費者問題に詳しい弁護士を紹介してもらうこと」とアドバイスした。

【木村 祐作】

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