【寄稿】機能性表示食品のSRを考える

関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科 講師 竹田 竜嗣 氏

<網羅的な検索ができているのかという疑問も>

 機能性表示食品制度の研究レビューは、制度発足時から「研究レビューの方法」「質」「解釈」といった部分で疑義の対象となってきた。機能性表示食品制度は軌道修正しながら運用してきたため、研究レビューに必要な記述内容や方法についても軌道修正が行われてきたと考えらえる。研究レビューの質の検証事業を経て、現在では一定のかたちを作りつつある。このような変遷の結果、研究レビューは、純粋なSRからかけ離れつつある。

 機能性表示食品の届出ガイドラインでは、英語と日本語の文献検索を言語バイアスの観点から必須としている。本来は網羅的な検索によって取りこぼしのないようにするという意義があるが、いくつかの届出では極端な絞り込みや、検索するデータベース数が少ない場合も多く、網羅的な検索ができているのかどうかが気になる事例もある。同じ素材であっても研究レビューごとに採用論文が異なるのは、検索データベースの種類や、論文掲載誌の収録採否に関する基準の違いによるものである。

 記述方法については、研究レビューの検証事業後、比較的書き方がすっきりしたと思われる。特に、結果の記載事項やバイアス評価、最終製品・日本人への外挿性、機能性関与成分の同等性などについては、2017年度以降の届出資料を見ると、統一感を感じる。気になるのは、届出時期、機能性表示文言、エビデンスの種類や素材によって書き方に大きな差を感じる点である。

 例えば、Aという機能性関与成分のある機能性についてたくさんの論文が存在する場合、有効性の用量の範囲に関する書き方がかなり異なっている。具体的には、ある機能性関与成分について30mg・60mg・90mg・100mgで試験を実施しているが、90mgのみ否定的な結果が存在する場合、有効量をどのように判定するかである。

 こういった場合、本来はメタアナリシスなどで厳密に検討すべきであるが、定性的研究レビューの場合は30~60mgまでを有効量とすべきか、または30~100mgまでを有効量とすべきかで悩んでしまう。「Totality of evidence」の観点から考察するようにと届出ガイドラインに書かれていることから、90mgのネガティブ文献について何らかの考察は必要であるものの、30~100mgで有効としてもよい気もするが、明確に記載している例は少ない。多くの届出では、最小有効量のみ記載している。

 また、同じ素材、同じ採用論文であっても、異なる有効量の判定結果も存在する。有効量の判定は、機能性や安全性に関係するため、この部分の判定方法や考え方についてはもっと議論が必要であり、消費者庁も意見を付してもよいように感じる。

※詳細は「Wellness Monthly Report №2」(8月末発刊)に掲載。

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